しばやん雑記

Azure とメイドさんが大好きなフリーランスのプログラマーのブログ

Microsoft Azure Web サイトの最近のアップデートについてまとめてみた

Build 2014 の前後で Microsoft Azure Web サイトは色々と機能が追加されたり、消されていた機能が復活したりしました。正直良く分かっていないのでまとめてみます。

まとめてみたものの、結局良く分からない機能が 1 つだけあるので、また何かわかり次第追記します。

Java ランタイムが復活

先月、一瞬だけポータルで公開された Java 周りの設定が Build 2014 のタイミングで復活しました。

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ギャラリーにも Tomcat と Jetty が追加されていますが、ギャラリーの方がバージョンが少し新しいものが用意されているようです。

基本モードの追加

名前からはいまいち想像が付きにくいですが、要は仮想マシンを 1 つ占有する標準と共有の中間に存在するモードです。もっと簡単に説明すると標準モードの機能制限版で、その代わりにお安くなっています。

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機能制限版なのでしょぼいんじゃないかと思うと思いますが、標準モードが割と大盤振る舞いな設定になったので、相対的には昔の標準モードに近くなってます。オートスケールやバックアップ、ステージングなどは使えないですが、Always On は使えるので Web ジョブで連続的に実行されるタスクも実行できますし、追加料金がかかりますが SSL も有効に出来ます。

ただしスケールアウトのインスタンス数が 3 つまでに制限されているので、それ以上のリソースが必要な場合は標準モードにする必要があります。

標準モードのストレージが 50GB に

ぶっちゃけ標準モードが必要なアプリケーションならリソース周りを Blob に逃がすのは常識だと思いますが、ストレージが 50GB まで使えるようになりました。

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独自でランタイムなどをインストールする場合にはストレージに置く必要があるので、割と容量的には楽になるかもしれませんね。ちなみにスクリーンショットで 52GB となっているのは共有と無料が 1 つずつあるのが合算されているのかもしれないです。

標準モードで SNI SSL が 5 つ、IP SSL が 1 つ無料で利用可能

これまでは別料金だった SNI SSL と IP SSL がそれぞれで 5 つと 1 つが標準モードの基本料金に含まれるようになりました。既に使っている人にとっては実質値下げということになります。

SNI SSL 5 つも要らないという場合は基本モードにして 1 つだけ SNI SSL を有効にする方が安く済むので、このあたりは必要な機能と相談になりますね。

標準モードでの WebSocket 接続数制限の撤廃

ちょっと前から気が付いていたのですが、Kudu から見える WEBSOCKET_CONCURRENT_REQUEST_LIMIT 環境変数の値が標準モードの時には -1 となり、今までは 350 同時接続数という制限が撤廃されました。

標準モードでも 350 接続しか出来ないのではサービスの質に関わってくるので、今まではクラウドサービスを使うしかなかったのが改善されました。

ステージングが展開スロットに名称変更、スロット名を任意の名前に設定可能

これまでは staging という固定の名前しか作成できなかったステージング機能が、展開スロットという名前に変更されて自由に名称を付けることが出来るようになりました。

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ちなみに展開スロットは仕様的には複数追加できるみたいですが、現在は標準モードでも 1 つまでに数が制限されているので続報を待ちたいと思います。

Web ホスティングプランの導入

そして今回のアップデートで一番良く分かっていないのが、この Web ホスティングプランです。

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複数の Web サイトをグループ化し、そのグループ単位でスケールを設定できるようになったというぐらいの認識なのですが、今のポータルでは今までは出来ていたサイトごとのスケールモードの切り替えが出来なくなり、不便としか思えません。

例を挙げると今まで共有で 5 つサイトを運営していた場合はデフォルトで 1 つの Web ホスティングプランに追加されているので、その 5 つのうち 1 つだけを基本や標準に変更するといったことが出来ません。どれか 1 つのスケールタブでモードを切り替えると、全ての Web サイトのモードが切り替わります。

Azure Webサイト向けのWebホスティング プランの導入 | S/N Ratio (by SATO Naoki)

既にさとうなおきさんが記事を翻訳してくれているのですが、正直この説明では何の説明にもなっていないと思うので、Web ホスティングプランを分けた場合にはどのように仮想マシンにサイトが配置されるのかを説明してもらいたいところです。

そして残念なお知らせですが、現行のポータルと新ポータルの両方で Web ホスティングプランに登録されている Web サイトを、別のホスティングプランに移動させる方法が用意されていないので、移動させるためには PowerShell を使えという意味の分からない状態になっています。よくこんな片手落ちな状態でリリースしたなという感想を持たざるを得ません。

早急な改善を求めたいところです。

オートスケールが GA、新ポータルで詳細な設定が可能に

いつからプレビューだったのかも覚えていませんが、オートスケールがついに GA となりました。しかも標準モードが必須ですが追加の費用もかからないみたいです。

そして新ポータルでは今まで平均 CPU 使用率かスケジュールしか設定できなかったのが、クラウドサービスと同様にスケールアップとスケールダウンのルールを設定できるようになりました。

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さらに新しいメトリックとしてメモリ使用率・ディスクキュー・HTTP リクエストキューを使って、オートスケールのルールを追加することが出来るようになっています。

スケジュールに関しては設定が新ポータルからはなくなっているみたいですが、1 回で増やすインスタンス数やクールダウンの時間など設定できるので、よりサービスに適した形でのオートスケールが可能ですね。

今回の Build 2014 は Web サイト周りの更新が少なくて地味だなーと思いましたが、まとめてみると結構更新内容多かったです。これからも積極的に使っていきたいですね。*1

*1:ただし日本データセンターにキャッシュサービスが来たら。