あまりアップデートが無かった App Service 周りですが、ここ数日で一気にインフラ周りにアップデートがあって色々と見るのが大変です。割高感しかなかった Premium がついに改善です。
Premium V2 自体は App Service Environment で使える Isolated と同じインスタンスタイプです。具体的には D1-3 v2 が使われるようになりました。
現在利用可能なリージョンは South Central US / West Europe / North Europe / Australia East / Australia Southeast の 5 つだけです。EU と Australia は Premium ユーザーが多かったのかもしれないです。
検証のために、日本から比較的近そうな South Central US を使うことにしました。
ちなみに気になる価格ですが、ぶちぞう RD 曰く Preview 中でも値引きされていないのではないかという話でした。なので GA 後もこれまでの Premium と同じ価格で Premium V2 が使えるかもしれません。
記載がないから変わらん気がする
— こすもす.えび (@kosmosebi) 2017年7月31日
確かに価格に関しては 50% 引きになっているという記載はありませんでした。
GA 済みの Isolated より高くなることはないと思うので、多分このままの価格で行くのだと思います。
パフォーマンスを検証
CPU に関してはこれまでの A シリーズから Dv2 にアップグレードされているので、ACU 換算で倍にはなっているはずです。ちなみにリージョンによっては Premium と Premium V2 で同じ CPU が使われています。
使われているのは Intel(R) Xeon(R) CPU E5-2673 v3 @ 2.40GHz です。Azure で一番使われています。メモリも Premium と比べて 2 倍になっているので、これまでよりもバランスの良い構成になりました。
さて、App Service の最大の弱点としてストレージのパフォーマンスが悪いことがありました。
Premium V2 になっても共有ストレージのパフォーマンスは原理上変わらないはずですが、キャッシュなどで使われるストレージは Dv2 化の恩恵を受けているはずなので簡単に確認しました。
念のために Standard / Premium / Premium V2 の 3 環境でパフォーマンスを確認しました。
Standard
D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 0 WriteFile : 929ms ReadFile : 265ms DeleteFile : 392ms D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 512 WriteFile : 1088ms ReadFile : 245ms DeleteFile : 326ms
Premium
D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 0 WriteFile : 1120ms ReadFile : 252ms DeleteFile : 377ms D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 512 WriteFile : 1053ms ReadFile : 221ms DeleteFile : 516ms
Premium V2
D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 0 WriteFile : 304ms ReadFile : 102ms DeleteFile : 169ms D:\local\Temp>StorageBenchmark.exe 1000 512 WriteFile : 433ms ReadFile : 95ms DeleteFile : 140ms
Standard / Premium はハードウェアは全く同じなので、基本的に性能に差は出ないはずです。Premium V2 は他の 2 つに比べると 2-3 倍はストレージのパフォーマンスが改善しているようです。
ストレージのパフォーマンスが改善したと言っても共有ストレージには影響なさそうですが、最近の App Service では Dynamic Cache がデフォルトで有効化されるようなので効果があります。
同様にローカルストレージにファイルをキャッシュする Local Cache を使った場合にも効果があると思います。とは言え、大半のケースでは Dynamic Cache だけで有効だと思いますが。