既に登壇してから 2 か月が経過しているのに、今更ですが Digital Decision 2022 Engineer Night で登壇した話です。自分が登壇したイベントのフォローアップは絶対書く誓いをしているので遅れていても書きます。
当初は自分は 1 セッションだけ担当する予定でしたが、Microsoft の牛尾さんと船井総研デジタルの竹下さんの対談に突撃することになったので 2 セッションで話しました。
https://decision.fsdg.co.jp/engineer-night/
自分のセッションは「Microsoft Azure で実現する最新クラウドアーキテクチャ」という割とざっくりとしたタイトルなのですが、普段から考えていることを上手く言語化出来たのではないかと考えています。
スライドは以下で公開しています。要約すると App Service 大好き野郎のクラウドアーキテクチャ論です。
最近は流行の技術・サービス・アーキテクチャを使うことに夢中になりすぎて、それを使って何を実現したいのかという視点が抜け落ちてしまい、結局は技術的負債になってしまうケースが多いと常日頃から感じていたので、その辺りに切り込んだつもりですが弱かった気もします。
とはいえ新しい技術へのキャッチアップも忘れることなく、しっかりと興味ベースで行えているので今後も継続していきたいと考えています。*1
残念ながらセッションの動画は公開されていないのですが、Qiita Zine でイベントレポートが公開されているのでこちらを読んでいただくと、どのような話だったのかある程度は掴めると思います。
言いたいことは、流行に惑わされずにアーキテクチャをしっかりと考えて、その時に必要なものを最適な形で実装しましょうということです。とりあえず Kubernetes と Microservices を全面的に導入しても、それを維持できなければ一瞬で負債になるのだぞという話です。
そういった流行に惑わされないためには、しっかりとアーキテクチャとデザインパターンの知識を身に着けておくのが一番です。ゴールまで最短経路で辿り着くことが出来ます。
Azure の場合は Architecture Center でクラウドアーキテクチャ設計の原則から、様々なユースケースに向けたアーキテクチャ例まで紹介されています。
そしてクラウドデザインパターンも健在で昔よりも数はかなり増えていますし、利用するサービスも最新のものでアップデートされています。実際にはサービスの新旧は関係なく考え方が重要なのですが、新しいサービスの方が理解の助けになります。
個人的に好きなのがアンチパターンのページです。セッションでもデータストア必要な場面で必要な特性のものを選ぶように話しましたが、このドキュメントでも 1 つのデータストアを使いまわすのはアンチパターンとして扱われています。パフォーマンスとスケーラビリティを改善する際には見ておきたいページです。
セッションでは話をしませんでしたが、Azure では Cosmos DB を使うことでデータストアの性能とコストを最適化できる可能性が非常に高いです。特に Change Feed は強力な機能なので是非活用して欲しいです。
去年の話になりますが Cosmos DB Conf で三宅さんと話したセッション資料と動画が公開されていますので、興味がある方はこちらも参照してください。
最後の方には GitHub 連携や DevOps 周りについて少し話していますが、前回の Hack Azure! #9 にてこの辺りの話題をまるっと扱っていますので、詳細はこちらのフォローアップを参照してください。
牛尾さん、竹下さんと対談した後編のイベントレポートもあります。文字起こしでは牛尾さんが標準語で話しているようになっていますが、実際にはいつも通りのネイティブ関西弁なので是非脳内で補完してください。
この対談の感想は「信頼」という一言に尽きます。エンジニアを信頼することでモチベーションは高まりますし、結果としてパフォーマンスは向上しインシデントも減るという話です。日本の SIer / SES 文化だとそりゃエンジニアを信頼できないよねという話もしました。
牛尾さんとの時差の関係でレコーディングかつ日本時間で早朝に収録を行ったのですが、かなり楽しく話が出来ました。話が盛り上がりすぎたので予定時刻の 1.5 倍ぐらいになってしまい、配信時間の都合上カットされた話も多かったです。
カットされた部分の方が面白いという説もあるので、どこかで完全版が公開されるのを期待したいです。
*1:但し AKS / Kubernetes は除く